これはいかなこと!
11月28日(月)
柿山伏
山伏が修行を終えて故郷に帰る途中,見事な柿を見つけた。
木の下から落とそうとしてもうまくいかず、登って柿を食った。
しかし、見廻りに来ていた柿主(持ち主)に見つかってしまう。
柿主は,木のかげに隠れた山伏をこらしめようと柿の木に
登っているのは「からす だ」,「さる だ」,「とび だ」と言い,山伏は
言われる度にその動物の鳴き真似をしてごまかした。
しまいに「とびは飛ぶものだ」と言われ,木から飛び降りると・・・
をやります
柿主:木のかげへかくれたを
柿主:ようよう見れば人ではないと見えた
山伏:まず落ち着いた(安心した) ばれてない
柿主:あれは からすじゃ
山伏:からすじゃと申す
柿主:からすなら鳴くものじゃが、おのれは鳴かぬか
鳴かずは人であろう。一矢に射ぬいてやろう
山伏:これは鳴かずはなるまい
「こかあ、こかあ、こかあ~」
柿主:さればこそ鳴いたり鳴いたり
柿主:あれをようよう見れば
からす ではのうて さる じゃ
山伏:やあ、今度は さる じゃともうす
柿主:さるならば身せせり(毛づくろい)
をして鳴くものじゃが、おのれは鳴かぬか
鳴かずは人であろう。やりでつき殺いてやろう
山伏:身せせりをして鳴かずはなるまい
「きゃあ、きゃあ、きゃあ~」
柿主:鳴いたり鳴いたり さてさてきゃつは
物まねが上手なやつじゃ
柿主:何ぞ、困ることはないか知らぬ。
柿主:おお、それそれ、あれをようよう見れば
からすでもさるでものうて、とびじゃ
山伏:やあ、今度はとびじゃと申す
柿主:とびならば、羽をのして鳴くものじゃが、
おのれは鳴かぬか鉄砲で一撃ちにしてやろう
山伏:羽をのして鳴かずはなるまい
「ひいよろ、ひいよろ、ひいよろ~」
柿主:鳴いたり鳴いたり さて、間もござるによって
もはや飛びそうなものじゃが、飛ばぬか知らぬ
山伏:これはいかなこと この高いところから
飛べと申す
柿主:ちとうかいて(うかれさせて)やろう
はあ~飛ぼうぞよ 飛びそうな
飛ぼうぞよ 飛びそうな
山伏:ひい、ひい、ひい、ひぃぃ
山伏:よろ、よろ、よろ
山伏:あ痛、あ痛、あ痛
柿主:よいなりよいなり
柿主:急いでもどろう
そういうお話でした
コメント